サンマテラーフレアは、コンクリート表層を高度に緻密化・疎水化することで内部鋼材を長期防護する事を目的とし、主に水や塩害環境下にあるコンクリート劣化、鉄筋腐食の予防として有効なソリューションとなります。
社団法人土木学会「表面保護工法 設計施工指針(案)」全ての評価項目でグレードAに該当しています。
製品概要
超微粒子(ナノレベル:1/10億m)のシラン・シロキサンを主成分とした表面含浸材です。
塩害や鉄筋腐食に対して、水や原因物質の侵入を強力にブロックする表面含浸材のオーソドックスなアプローチを高いレベルにまで調整した製品です。
土木学会基準に基づく性能評価
社団法人土木学会「表面保護工法 設計施工指針(案)」の劣化抑制に要求される全ての評価項目でグレードAに該当しています。
評価の中でも「塩化物イオン浸透抑制率」は評価値100、「透水抑制率」評価値85%、「吸水抑制率」評価値91%と高い評価値を誇ります。
社団法人土木学会「表面保護工法 設計施工指針(案)」試験結果
性能 | 評価値(%) | 評価値 | グレード |
---|---|---|---|
透水に対する抵抗値 | 透水抑制率 | 85 | A |
吸水に対する抵抗性 | 吸水抑制率 | 91 | A |
透湿性 | 透湿比率 | 98 | A |
中性化に対する抵抗性 | 中性化抑制率 | 55 | A |
塩化物イオン浸透抵抗性 | 塩化物イオン浸透抑制率 | 100 | A |
製品の特徴
サンマテテラーフレアは、超微粒子の有効成分がコンクリート深部まで浸透し、内部に強固な吸水防止層(遮水層)を形成して毛細管空隙を充填し緻密化するとともに、表面には超撥水層を形成する二重の保護作用が特徴です。
水や劣化原因物質の侵入を強力に防ぐ「塩化物イオン浸透抑制率」は評価値100%である一方で、空気や水蒸気は透過する「透湿比率」の比率値は98%と高い通気性を有します。この相反する効果の両立を高いレベルで実現しているのもサンマテテラーフレアの特徴で、鉄筋腐食膨張やASR(アルカリシリカ反応)の膨張を間接的に低減する効果にもなっています。
これらの効果は長期に渡り維持されるため、補修や更新が困難で高い安全性が求められる橋梁やトンネルなどの重要インフラに最適なソリューションとなります。
水や劣化物質の侵入を強力に防止
水や塩害は、鉄筋コンクリート構造物の早期劣化や鉄筋腐食を引き起こす最も深刻な要因の一つです。
サンマテラーフレアは、塩化物イオン浸透抑制率100%というほぼ完璧な遮断性能を持ち、鉄筋腐食予防、遮水防水によるASR予防などの劣化要因に対して最大限の保護性能を提供します。
また、最大0.2mm幅までの微細なひび割れであれば、別途補修を行うことなく、有効成分が充填して水の侵入を抑制する効果が期待できます 。
コンクリートを呼吸させ湿気を排出
単純なバリアコートは外部からの水を防ぐが、内部の既存湿気を閉じ込めてしまい、かえって凍害やASR(アルカリシリカ反応)を悪化させるリスクがあります。
サンマテラーフレアは水や塩化物イオンなどの侵入を強力に防ぐ一方で、コンクリートの内部の水分を外部に放出する「透湿比」は98%という非常に高い値を誇ります。この透湿性はコンクリートの長期的な健全性にとって極めて重要な機能となります。
コンクリートが自然に乾燥する能力を阻害する事が無いため、内部に湿気が滞留することによる凍害やASR(アルカリシリカ反応)の助長を抑制することができます。
長期の耐久性と耐候性
「ハイブリッド・エクスポージャーシステム」による促進耐候性試験の結果、サンマテラーフレアを塗布した試験体の吸水率は、10年相当の暴露後もわずか0.8%に留まり、吸水比も6.3%から7.7%と極めて低い値を維持しました。
約10年経過しても性能の低下は最小限で、長期に渡り高い効果が持続されることが実証されています。
約10年の屋外暴露に相当する試験実験の結果、防水性能が経年においても高い水準で維持されることが実証されました。
※100倍促進倍率(屋外暴露2年を1週間で評価)
※40サイクル(920時間=約10年の屋外暴露に相当)
※キセノンランプを光源とする耐候性試験機に過酸化水素水の噴霧を組み合わせることで従来のサンシャインウェザーメーター試験よりもはるかに高い促進倍率を設定。
サンマテラーフレアの主成分であるシロキサンの特性として、環境温度やUVに晒されても劣化しにくい高い化学的安定性があり、優れた耐候性・耐UV性も備わっています。
10年相当の暴露試験でも性能劣化が僅かであり、少なくとも10年以上は再塗布無しで効果を発揮できる高耐久性の表面保護剤としてライフコストサイクルを大幅に抑えることが可能です。


優れた施工性
原液を塗布するだけでコンクリートが含浸します。
施工が可能な環境は-20℃~60℃で、寒冷地での使用も可能です(素地が凍結している場合は溶かしてください)。
タイル外壁の浮き防止には、フッ素樹脂塗膜+目地浸透剤などの複数工法を組み合わせますが、サンマテラーフレアなら目地遮水と躯体防水を同時に行えるため、タイルの浮き剥落を低減でき、工程を簡略化できます。
施工面は塗膜を形成しないため、撥水効果低下後に再施工する際も下地処理は高圧洗浄のみで容易です。
建造物の美観コストを削減
サンマテラーフレア塗布後、乾燥と共にコンクリート表面の吸水率は大きく下るためカビや菌類などの繁殖を抑制します。
主成分である無機化合物は帯電性が無く、埃や塵などを寄せつけません。
また、高度な水分コントロール機能でエフロレッセンスが発生する原因を断ち切り、エフロレッセンスを強力に抑制します。
水道施設における浸出規準を満たす安全性
PFAS、VOCなど有害物質を一切含まないため、周辺環境と作業者の健康への影響を最小限に抑えます。
厚生労働省の水道施設における浸出規準を満たしています。上下水道インフラや海洋・河川近接工事でも安心してご使用いただけます。
サンマテラー製品との相乗効果
サンマテラーフレアと、サンマテラー製品を組み合わせることで、効果を補って相乗効果を発揮することができます。
劣化したコンクリートの圧縮強度や効果を飛躍的に増加
コンクリ・リファクター(超微粒子水酸化カルシウム・亜硝酸カルシウム含浸剤)を併用することで、緻密化が増進して表層部の圧縮強度が大幅に向上します。さらに亜硝酸イオンが鉄筋表面に不導体被膜の再生・維持を行い防錆効果を発揮します。
サンマテラーフレアとコンクリ・リファクターの併用により圧縮強度は約70%増進されました。
※塩害地の築50年以上経過したコンクリート護岸におけるシュミットハンマー試験
施工事例
サンマテラーフレアは
多くの建物に選ばれています
よくある質問
材料に水を混ぜて施工するのですか。
原液仕様です。水希釈は厳禁です。
溶剤系ですか。
一液の弱溶剤です。
塗膜形成しますか。
含浸剤ですから塗膜形成はありません。
施工し乾燥した場合、基材の色は変わりますか。
含浸するとコンクリート中の余剰水を排出する効果がありますので暫く濡れ色状態が続くこともありますが最終的には本来のコンクリートそのものに戻ります。
施工後、撥水効果が出て来るのはいつ頃ですか。
塗布乾燥した段階で撥水性は有りますが約7~10日後に撥水力は最高値に達します。
撥水性は何年間維持されますか。
表面の超撥水は紫外線の影響により3~5年経過すると疎水性に変わりますが含浸した部分においてはポリシロキサン結合による超遮水層が形成され15年は防水性を保ちます。
サンマテラーフレア施工後に塗装したいのですが問題ありませんか。
サンマテラーフレア施工した後に左官・塗装材などの仕上工事は付着不良を起こしますので控えてください。
ひび割れ補修、ジャンカ補修、ピンホール穴埋め、爆裂部断面修復などはいつの段階で行えば良いですか。
必ずサンマテラーフレアの施工する前に完工しておいてください。
エフロの塊が析出しているので酸洗いで除去したいのですが大丈夫ですか。
サンマテラーフレアは強アルカリの為、酸洗いとの併用は出来ません。
万一、サンマテラーフレア施工前に酸洗いをした場合、アルカリ中和処理が必要です。弊社ではアクアクリーナーをご用意しています。コンクリート保護にフッ素が施工されてますが含浸しますか。
基本的に劣化したフッ素であっても撥水性が残っているので全てディスクサンダーで除去してください。
カタログ・資料ダウンロード
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