経年劣化したコンクリートのひび割れ補修を改質剤と補修材を組み合わせた二重の効果で、ひび割れの補修・再発防止といった根本的な課題に対応します。建造物、インフラの長寿命化、ライフサイクルコストの削減に貢献します。
製品概要
無機系含浸材ベースの表面含浸工法によるひび割れ補修材です。
ケイ酸塩系浸透性改質剤「サンマテラーアクア」とポリマー改質超微粒子セメント充填材を組み合わせた統合型補修工法として設計されています。
部分補修のクラックリペアA、広範囲補修のクラックリペアBの2種類をキット化してご用意しています。
クラックリペアA
特定のひび割れを対象とした部分補修工法です。Vカット(Uカット)などの大掛かりな前処理は不要です。
0.2mm以下の微細なひび割れに対しては、ペーパーカッター等でひび割れ幅をわずかに広げることで、充填材の確実な注入が可能となります。
施工後は、余分な充填材をカワスキやサンドペーパーで除去することで、補修跡が目立たない美観性の高い仕上がりを実現します。
クラックリペアB
微細なひび割れが広範囲に存在する面を対象とした表面被覆改修工法です。
亀甲状ひび割れや広範囲な表層劣化に対して有効で、単発のひび割れ補修から大規模な表面改修まで対応可能な汎用性の高い工法です。
製品の特徴
従来のひび割れ箇所の補修方法は、ひび割れ箇所をVカット(Uカット)してエポキシ樹脂を注入後に樹脂モルタルで補修し再塗装をするのが一般的でした。
しかし、硬化したエポキシ樹脂は一時的な止水効果がありますが、透湿抵抗が高い為にコンクリートの湿気を閉じ込めてしまい周辺部から新たにひび割れが発生してしまうケースがあります。
サンマテラー・クラックリペアは、コンクリート改質含浸剤のサンマテラーアクアの「改質効果」と、ポリマー改質超微粒子セメント充填材の「被覆保護」を組み合わせた二重の効果で、ひび割れを補修すると同時に、コンクリートを改質してひび割れの再発を抑制します。
簡単な施工・クリーンな仕上がり
1工程目に、コンクリート改質含浸剤のサンマテラーアクアを塗布し有効成分を浸透させます。補修部分のVカット(Uカット)は不要です。
浸透後にコンクリート表面は親水性に変化し、後続の超微粒子セメント充填材に対する天然のプライマー効果を発揮します。
2工程目に、超微粒子セメント充填材をひび割れ箇所にヘラやローラーを使って充填させるだけです。
色調調整機能により、施工跡が目立ちにくく、既存仕上げの美観を損ねません。
※幅0.2mm以下の微細なひび割れに対しては、充填材の注入を確実にするために、ペーパーカッター等でひび割れ幅をわずかに広げることを推奨します。
長期耐久性・ひび割れの再発防止効果
補修はコンクリートと同質の無機成分で構成されるため、紫外線劣化や熱変形のリスクを抑えることができます。
サンマテラーアクアによるコンクリート表層の緻密化効果は、中性化や塩害といった化学的劣化の進行を長期にわたって抑制し、内部鋼材の腐食リスクを大幅に軽減します。
また、透湿性の維持により、コンクリート内部の水分バランスが保たれ、凍結融解作用による内部応力の蓄積が緩和されます。これにより、補修箇所周辺での二次的なひび割れの発生が抑制され、構造物全体の長寿命化に貢献することができます。
補修工法の比較
サンマテラー・クラックリペア | エポキシ樹脂系 | セメント系(無機系) | |
---|---|---|---|
透湿性 | 通気性を維持 | 阻害 | 通気性を維持 |
ひび割れ再発防止 | 優秀(コンクリート改質) | 普通(一時的止水) | 普通 |
Vカット(Uカット) | 不要 | 必要 | 不要 |
施工性 | 簡単(2工程) | 複雑(注入器具必要) | 簡単 |
長期耐久性 | 優秀 | 普通 | 普通 |
施工事例
サンマテラー・クラックリペアは
多くの建物に選ばれています
よくある質問
施工手順を教えてください。
ケイ酸塩系改質強化剤であるサンマテラーアクアを先にひび割れ部及びその周辺部に塗布し濡れ色がまだ少し残っている段階で超微粒子セメント(専用樹脂と水を混ぜる)をひび割れ部に塗付けしてください。
ひび割れ部をUカットVカットする必要はありますか。
樹脂注入と違い含浸剤を注入するので基本的に不要です。
フッ素が施工されていてそこにひび割れ部があります。その状態で施工可能ですか。
フッ素は撥水性がありますのでサンマテラーアクアの含浸が阻害されます。ひび割れ部に沿ってディスクサンダーで除去してください。
ひび割れが密集しています。その場合、一つ一つひび割れを補修するのはとても手間と時間がかかります。どうしたら良いでしょうか。
ひび割れが密集している箇所には全体にサンマテラーアクアをたっぷりと塗布します。乾燥後、超微粒子セメントを面単位で薄く塗りつけて表面を被覆してください。但し塗装がしてある場合はディスクサンダーで塗膜除去してコンクリート素地を露出させてから施工してください。
亀甲状のひび割れがあります。そのような部位にもサンマテラークラックリペアを施工すべきですか。
亀甲状ひび割れはASRに起因している可能性が高いため、リチウム配合のサンマテラーグランアクアを部位全体に深く含浸させてから超微粒子セメントで表面被覆してください。
ひび割れ幅はどの位まで対応可能ですか。
超微粒子セメントでひび割れ口を閉塞できるのは2mm程度までです。ひび割れ幅が大きい程、サンマテラーアクアは注入し易くなります。サンマテラーアクア注入後、超微粒子セメントに水を多く入れたセメントペースト状を流し込むとセメント成分とサンマテラーアクアの主成分が化学反応してひび割れ奥部から充填していく効果があります。ひび割れ口の閉塞は硬めに練った超微粒子セメントを塗りつけてください。
地下ピットからの漏水に効果はありますか。
躯体の外側からの補修が出来ない地下ピットにおける漏水補修には効果が見込めます。サンマテラーアクアEXやサンマテラーグランアクアなど止水効果の高い製品と組み合わせて施工してください。
樹脂注入工法やシール補修と何が差別化出来ますか。
樹脂やシールはコンクリートとは全く異なる材料です。ひび割れをそれらで充填し水路を塞いでもコンクリート改質効果はなく透湿性を阻害するため別のひび割れが発生しやすくそこが水路となります。また補修跡がハッキリと出るので美観的に良くありません。サンマテラークラックリペア工法はケイ酸塩系含浸剤の効果でひび割れ奥部の毛細管空隙がコンクリート再結晶化で閉塞するためひび割れ抑制効果が得られます。また超微粒子セメントに無機液体顔料を添加することでコンクリートの色を再現し美観的に違和感を持たせません。
サンマテラーアクアをうまくひび割れに注入するにはどんな道具を使えば良いですか。
注射針のついたシリンジや幅の小さい筆、簡易なスプレーなどでまんべんなく施工してください。
超微粒子セメントでひび割れ口を閉塞させるとどうしても白いセメント跡が残り美観上よくありまんが。
超微粒子セメントの添付の液体黒顔料を微量に混ぜていくとグレー色が濃くなります。試しに配合し小さい面積で試し塗りしてください。また超微粒子セメント乾燥後にカワスキやサンドペーパーで余分なネタを除去してひび割れ部だけに超微粒子セメントが入っている状態にすることで美観が得られます。
カタログ・資料ダウンロード
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