沖縄県石垣市に所在する新庁舎の大屋根スラブの防水対策として、サンマテラーフレア(含浸性コンクリート遮水防水剤)が使用されました。
防水対策の背景
沖縄県石垣市は熱帯性気候のため、湿度、紫外線、海風や台風による塩害などの激しい環境要因にコンクリートが晒されます。
建造物、コンクリートをこれらの環境要因による劣化から保護し、建物の耐久性を保っていくことが必須とされます。
勾配のある屋根の防水対策の課題
石垣市新庁舎は沖縄の伝統的な文化を象徴する建造物です。
大屋根には琉球瓦が敷き詰められており、大屋根の防水対策が課題としてありました。

屋根スラブの防水対策として通常は「防水シート」や「アスファルト防水」が行われます。
新庁舎の大屋根は、平屋根ではなく勾配があるため、アスファルト防水(熱工法)は材料が垂れる問題がありました。また、高温と有毒ガスも作業員には大きな負担となります。
シート防水は、裏側に水が回るとメンテナンスの手間がかかる問題があります。
大屋根スラブの防水施工の課題をクリアする方法として、サンマテラーフレアが選択されました。
工法 | サンマテラーフレア | シート防水 | アスファルト防水 |
---|---|---|---|
施工性 | 簡易(塗装) | 手間がかかる | 勾配があり難しい |
安全性 | ◎ | 〇 | ▲ |
コスト | 低い | 中 | 高 |
効果(防水、塩害) | ◎ | ▲ | ◎ |
メンテナンス | ◎ | ▲ | 〇 |
屋根への防水対策
サンマテラーフレアは、コンクリートに塗布するだけで成分が含浸し、コンクリート表層に超遮水層を形成して水や塩化物イオンの侵入をブロックします。

原液を2回塗布するだけでコンクリートに含浸して効果を発揮します。施工を簡便化することができます。
サンマテラーフレアは、エフロレッセンスの抑制や、防汚・防カビ効果などの機能も備えているため、美観のメンテナンスコスト削減にも貢献することができました。
石垣新市庁舎
設計監理:隈研吾建築都市設計事務所、洲鎌設計室 JV
施工:大成建設株式会社・大米建設株式会社・有限会社黒島組 JV