平塚市の水道施設で鉄筋腐食に伴う爆裂ケ所があるため改修工事において将来的なマクロセル予防を視野にいれた工法(コンクリ・リファクター+サンマテラーアクア)が採用されました。
鉄筋腐食の主な要因
鉄筋腐食による爆裂は下記2つの要因で発生します。
中性化 | 塩害 |
誘因物質:二酸化炭素とコンクリート中の水分 | 誘因物質:塩化物イオン |
1. 鉄筋状況:不導体被膜の消失 | 1. 鉄筋状況:不導体被膜の破壊 |
2. 鉄筋状況:酸化腐食(赤さび)による膨張 | 2. 鉄筋状況:酸化腐食(赤さび)による膨張 |
3. 鉄筋状況:水の供給による水和膨張 | 3. 鉄筋状況:水の供給による水和膨張 |
4. コンクリート状況:被り部分の爆裂 | 4. コンクリート状況:被り部分の爆裂 |
一般的にはコンクリート中性化に伴うケースが大半ですが海沿いに近い鉄筋コンクリート造では塩害による爆裂が主になります。
従来工法
錆汁発生箇所をハツリ、腐食した鉄筋部の錆除去、エポキシ樹脂塗布、欠損部の断面修復(モルタル)
この補修方法では断面修復した箇所を起点としてマクロセル(電位差による腐食電流の発生)として鉄筋鋼材の至るで金属の腐食を発生させます。
マクロセル予防の新技術
今回は中性化に伴う鉄筋腐食・爆裂であることが推測されるため、経年コンクリートへのアルカリ性付与、ひび割れ抑制、表層部の緻密化、亜硝酸イオン含浸による不導体被膜再生維持によるコンクリート内部の改質強化を目的とした補修工法が取られました。
①コンクリ・リファクター塗布 | ・水酸化カルシウムの付与によりアルカリ性の回復 ・亜硝酸イオンの含浸が鉄筋部に到達することで不導体被膜の 再生維持 |
②サンマテラーアクア塗布 | ・先に付与された水酸化カルシウムとポゾラン反応してC-S-Hゲ ルを生成して表層部が緻密化される ・毛細管空隙の減少によるひび割れ低減 ・表層部の緻密化による劣化誘引物質侵入の大幅低減 |
③亜硝酸配合モルタルによる断面修復 | ・亜硝酸イオンによるマクロセル防止 |


