酒田市に所在する国体記念体育館の大規模改修工事において、躯体改修から仕上塗装までサンマテラー製品が採用されました。
改修の課題
当該建築は、故谷口吉生先生の設計作品として末永く愛され、維持保存される価値のある建物です。
従来から改修方法は、仕上材などで見栄えを一新する事が重要視され、躯体の改質を含めた改修方法は不十分でした。
改修前の状態



経年コンクリートの改質と改修提案
建物の改修として、躯体の超寿命化が重要な課題となっており、下記の改修提案が採用されました。
- コンクリート自体の改質
- 鉄筋防錆対策(マクロセル防止)
- ひび割れ補修
- コンクリートの通気性確保
- 高耐久性塗料の選定
超寿命化提案工法 | 従来改修工法 | |
---|---|---|
コンクリート | フッ素を全除去して通気性を確保。 亜硝酸カルシウム系含浸剤コンクリ・リファクター塗布。 ケイ酸塩系含浸性改質剤サンマテラーアクア塗布。 | 全体に高圧洗浄で仕上材に付着した汚れ除去。 |
鉄筋腐食爆裂 | 亜硝酸カルシウム配合モルタルにて断面修復。 | 腐食鉄筋にエポキシ樹脂塗装、断面修復(樹脂モルタル)。 |
ひび割れ補修 | サンマテラーアクア注入、超微粒子セメント。 | エポキシ樹脂注入。 |
仕上 | 高耐久性シリケート塗料サンマテラークラウドウォールRCカラー。 | フッ素塗装重ね塗り。 |
改修施工
コンクリートの通気性を確保するため、既存の塗膜を除去します。



コンクリートの改質
コンクリートのアルカリ性を回復するため、コンクリ・リファクターを塗布して主成分である水酸化カルシウムをコンクリート内部に付与します。
コンクリ・リファクターの2つ目の成分である亜硝酸イオンは、鉄筋周辺部に含浸し、不導体被膜を再生維持していきます。
数日後、サンマテラーアクアを塗布します。
サンマテラーアクアの有効成分が、先に含浸したコンクリ・リファクターの水酸化カルシウムとポゾラン反応を起こしてコンクリート表層部は緻密化され、毛細管空隙は大幅に減少します。
サンマテラーアクアは乾燥後、コンクリート表面は親水性となり、面状調整のポリマーセメントモルタルの付着性が向上します。
下地補修、鉄筋爆裂ケ所断面修復、ひび割れ部補修
鉄筋爆裂ケ所を削り鉄筋にコンクリ・リファクター塗布、乾燥後、断面修復には亜硝酸配合のモルタルを使用することで将来起こりうるマクロセル防止しました。

ひび割れ部にはサンマテラーアクアを塗布・注入。

続いて超微粒子セメントでひび割れ口を閉塞しました。
仕上塗装

サンマテラークラウドウォール RCカラー(旧フレアカラーRC)で、コンクリート打放し調のファンデーションを行いました。



設計監理:谷口建築設計研究所
元請:丸高・酒井鈴木工業 JV