サンマテラーアクアバンクは、コンクリートの強化、長寿命化を目的とした超微粒子ケイ酸塩水溶液を主成分とするコンクリート養生剤です。
従来技術の課題を解決し、工期短縮・耐久性向上・コスト削減を実現した画期的な養生剤として、国土交通省新技術情報提供システムNETIS(活用促進技術)にOKK-160001-VEとして登録されています。
製品の概要
サンマテラーアクアバンクは、表面処理を従来の物理的養生から化学的反応による構造改質に転換した画期的な製品です。施工期間の短縮やコストの削減に大きく貢献します。
有効成分をナノレベルにすることでシリカ粒子がコンクリートへ速やかに含浸し、長期に渡りコンクリート中の未水和の水酸化カルシウムや遊離石灰と反応して不溶性の非晶質なゲル状物質を生成します。
この化学反応により、水分の蒸散を防ぎ、コンクリート内部の水和反応を促進し、コンクリートの品質を向上させ、長期にわたり耐久性が維持します。
施工の簡便性と長期耐久性の両立により、建設現場の生産性革命を実現しています。
製品の特徴
初期のケア(含浸性湿潤養生)こそがコンクリート超寿命化への第一歩です。
コンクリートの初期段階に使用することで、耐久性の向上やメンテナンスコストの削減に大きく貢献します。
長期に渡ってコンクリートの品質を向上
従来技術では5日間の物理的な湿潤養生で完工としていました。しかし、6日目以降の開放の際に、緻密な水和反応が継続してひび割れを抑制できるとは限りません。
サンマテラーアクアバンクはコンクリート内部において長期的に反応して表層部を緻密化するため、水分蒸散を低減し、曲・圧縮強度の増進、中性化の低減、塩化物イオンの侵入量低減など、長期に渡りコンクリートの品質を向上させることが可能です。

圧縮強度の増加
標準養生、散水シート養生と比較すると、圧縮強度が2.5%~2.9%増加しています。
※材令1年

曲げ強度の増進
散水シート養生より19.1%の曲げ強度が増加しています。
※材令565日
乾燥収縮、ひび割れを低減
サンマテラーアクアバンクのケイ酸塩化合物は、コンクリート中の未水和状態の水酸化カルシウムと反応し、不溶性のC-S-Hゲル状物質を生成します。このゲルがコンクリート表層部を緻密化して毛細管空隙を減少させることでコンクリート内部の水分蒸発を抑制し、初期の乾燥収縮によるひび割れを効果的に抑制します。
水和反応が中途半端に終わると毛細管空隙が多くなりひび割れが多発します。
ひび割れの原因となる毛細管空隙を少なくするために水和反応を促進させることが養生の究極の目的です。


長さ変化率
散水シート養生と比較すると、経時と共にその効果の差が現れてきます。
サンマテラーアクアバンクは、コンクリート内部で化学的反応し、長期間に渡り養生効果を発揮することが表れています。
※長さ変化率試験 JIS A 1129-3
※コンクリート配合 18-8-40
他社製品との違い
サンマテラーアクアバンクは、広範な環境適応性と高精度性能を統合したハイブリッドな養生材です。
特に施工の簡便性と長期耐久性の両立において圧倒的に優れており、JIS規格を超える中性化抑制性能(JIS A 1152比300%向上)が最大の特徴です。
1回の養生で完了。施工期間の大幅な短縮が実現
従来の養生方法では、散水やシート養生が一般的でしたが、手間がかかる上に管理が難しいという課題がありました 。また、高温環境下では熱応力亀裂が発生するリスクがありました。
サンマテラーアクアバンクは型枠脱型直後のコンクリートに直接塗布可能で、表面清掃なしで超微粒子の成分がコンクリートに深く浸透します。そのため、表面処理や事前の湿潤管理をほとんど必要としません。
さらに1回の塗布で養生が完了するため、施工期間の短縮や、作業の簡便化によるコストの削減を実現します。
サンマテラーアクアバンク | 他社製品(散水養生) | 他社製品(被膜養生) | |
---|---|---|---|
養生期間 | 3時間 | 5日 | 1日 |
塗布回数 | 1回 | 1日3回×5日 | 1~2回 |
乾燥時間 | 1時間~12時間 ※気温、湿度に影響される | 24時間×5日 | 8時間~ ※気温、湿度に影響される |
作業人数(500㎡当たり) | 1名 | 3名 | 2名 |
天候依存性 | 降雨、凍結気温の影響を受ける | 降雨影響を受ける | 乾燥条件がある |
後工程開始可能時間 | 3時間~12時間後 | 120時間後 | 24時間後 |

1回の散布で養生完工。あとは自然乾燥を待つだけ
その後の散水やシート養生は不要です。養生に掛かる手間と工数を大幅に短縮し、現場工程に大きく貢献します。
中性化低減は従来技術の6倍
従来の散水シート養生の中性化深さ平均3.0mmに対して、サンマテラーアクアバンクは平均0.5mmと、約6分の1に抑えられています。この大幅な中性化抑制効果は、ナノシリカ粒子がコンクリート内部に速やかに含浸し、未水和の水酸化カルシウムと反応して二酸化炭素の侵入やアルカリ消費を長期間にわたり抑えるためです。
また、サンマテラーアクアバンクは長期間にわたりコンクリート内部で化学反応を継続し、強アルカリ性を保持するため、中性化進行を根本的に遅らせることができます。この性能は鉄筋コンクリートの耐久性向上、鉄筋腐食防止、構造物の長寿命化に大きく貢献します。

比較試験
散水シート養生の平均3.0mmに対して、サンマテラーアクアバンクの中性化深さが平均0.5mmであると、約6倍もの差が出ています。
※フェノールフタレイン試験 JIS A 1152
※養生期間1年7ヶ月
養生と同時にプライマー効果を得られます
従来の被膜養生剤では、塗膜の劣化や剥がれ、上塗り不良のリスクがありましたが、サンマテラーアクアバンクは被膜を作らない含浸タイプです。表面が緻密化し、親水性となるため、塗装・左官材料のプライマー効果が生まれます。
実際の試験でも、塗布面の付着性にばらつきがなく、仕上げ材の品質が安定することが証明されています。養生と同時にプライマー効果も得られるので、工程短縮・品質向上・コストダウンを一度に実現できます。
コンクリート素地そのままを表現します
サンマテラーアクアバンクは無機水性で含浸して膜形成はしないため塗布後、乾燥するとコンクリート素地そのものの仕上がりとなり美観的にも綺麗です。


環境に配慮された製品
サンマテラーアクアバンクは環境に無害な無機水性材料です。
溶出試験や生態系毒性試験(OECD 202)において、安全性が確認されており、水生生物に対してもEC50値が3500mg/Lを超える無毒性判定を取得しています。水中や海中に設置するコンクリートへの養生剤としても最適です。
施工事例
サンマテラーアクアバンクは
多くの建物に選ばれています
よくある質問
床スラブへサンマテラーアクアバンクを施工するタイミングはいつ頃ですか。
コンクリート打設後、敷き均し、左官工による平滑押えが完了して触手乾燥が完了した段階から施工可能です。
具体的には指で強く押さえても爪跡が付かない程度の硬さになれば施工可能です。床スラブへサンマテラーアクアバンクを施工する場合、触手乾燥前に施工は出来ませんか。
触手乾燥前に施工をすると逆にひび割れを促進させてしまう可能性がありますので絶対に行わないでください。
打設後、いつまでにサンマテラーアクアバンクを施工しなくてはありませんか。
打設後、呼び強度発現(通常4週)前までにサンマテラーアクアバンクを施工すれば効果を得ることが可能です。
降雨時に施工は出来ますか。
霧雨程度でしたら施工可能ですが水溜まりや壁面に雨筋が出来るような状況では材料が流失したり薄まったりしますので効果を得られません。
冬季に施工可能ですか。
成分は無機水性であるため5℃以下の場合、凍結して性能を担保出来ません。
ジェットヒーターを焚くなどして5℃以上の温度環境を作ってください。塗布後、乾燥するまでその状態を保ってください。3倍希釈は守らなくてはいけませんか。
3倍希釈は絶対に守ってください。希釈率が多かったり少なかったりすると性能を得ることが出来ません。
反応性の高い材料ですので水道水以外を絶対に使用しないでください。3倍希釈して余った材料はいつまで使用可能ですか。
なるべく早い内に使い切ってください。1週間位が目安です。
湿気や埃が入らないように良く密閉して直射日光の当たらない室内に保管してください。施工する際に指定の工具類はありますか。
特に弊社から指定する工具類はありません。
市販されている噴霧器をご使用ください。但し、以前に使用してその塗料の成分が残存しているサンマテラーアクアバンクの成分と反応してしまう危険性があるので新品のものを使用してください。倉庫床に使用する場合、表面強化液との併用は出来ますか。
出来ます。
ただし、サンマテラーアクアバンクの施工が先となります。完全乾燥後に表面強化液を使用してください。打継剤との併用は出来ますか。
出来ます。
ただし、打継剤散布後、完全乾燥固化したらサンマテラーアクアバンクを施工してください。ブロック、ケーソンなどサンマテラーアクアバンクを施工してからどの位、養生期間を置けば良いですか。
サンマテラーアクアバンクを施工して乾燥してもとのコンクリート色になった段階で水中海中に設置しても問題ありません。
漁礁ブロックなどに使用して藻場形成に影響を与えたり有害成分の流失などはありませんか。
水道施設浸出試験において規定されている全ての有害物質は規定値以下ですので環境に負荷をかけません。
また、膜形成もないため安全です。藻場形成には何の支障もありません。床スラブで膨張剤を混和材として入れますがサンマテラーアクアバンクは支障をきたしませんか。
支障をきたす事はありません。むしろ膨張剤の主成分である水酸化カルシウムはサンマテラーアクアバンクのポゾラン反応には最適な相手となるためより緻密なコンクリートになります。
JASS5 T-407(コンクリート養生剤の水分逸散抑制効果試験)は受けていますか。
散水シート養生や被膜養生剤には適合する試験方法ですが、乾燥収縮ひび割れ低減のメカニズムが違うため受けておりません。
水分逸散自体を抑制するのが目的ではなく水和反応を長期に渡り促進させるための養生工法です。製品の封を切らなければどの位の期間まで保管が出来ますか。
封を切らない製品の状態で2年間位は問題ありません。
但し直射日光の当たらない室内で冬季には凍結しない気温環境で保管することが前提となります。壁面における下地補修を行う場合、どのタイミングになりますか。
型枠脱型後、サンマテラーアクアバンクを散布して乾燥してからジャンカ、ピンホール、目違いなどの下地補修を行ってください。
カタログ・資料ダウンロード
サンマテラーアクアバンクのカタログ、資料をPDFでダウンロードできます